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里山の小さな物語

コハクチョウとツバメ ”猫返し”



11月には、越冬の為、ロシアからコハクチョウが飛来します。
時々、我が家の上空を、大きな鳴声と羽音を立てながら、飛んでゆきます。

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2月には、コハクチョウが北に帰り、
3月中旬には、南から、ツバメたちが、繁殖の為にやって来る。

両親は、猫や蛇やカラスにツバメの親子が襲われるのを防ぐ為、
毎年、ツバメが来たら、倉庫の入り口に”猫返し”の板を設置します。

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ツバメの糞とか巣の材料(泥や藁)で、倉庫の中が汚くなるので、
ツバメが入らないよう、倉庫を締め切っている人も多いです。
両親は、小さな体で何千キロも旅してやってくるツバメを、出来るだけ、
守ってあげたい。と思っているようです。

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10組程のつがいが、数十羽のひなを育て、南に帰っていったら、
来年、ツバメ達が帰ってくるまで、うちの家族は元気でいれるかな、
そうだったらいいな。と思ったりしています。

巣立ち、そして、旅立ち。

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8月に制空権を持っていたツバメ達がいなくなったら、それまで、目立たなかった
スズメ達が、なんだか、とても賑やかです。



とんびのピーコ



餌の魚を貰いに来る時に、ピー・ピー鳴いて、呼ぶので、母親がピーコと名づけました。
喧嘩に負けたのか、尾の羽が何本か抜けており、飛ぶのが少し下手でした。
道路に置いた魚をキャッチするのに失敗し、カモメやカラスに横取りされたら
、母親がやきもきし、”ピーコのヘタクソ” と言っていました。
 繁殖期は、毎日のように、電柱の上に止まり、母親が来るのを待っていて、
魚を巣に待って帰っていました。

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ある秋の日、隣部落の人が、悪さをするカラスを退治する為に、
魚に毒を入れて撒き、ピーコもそれを食べて、死んだそうです。
それでも、今では、ピーコの子達が、時々、魚を貰いに来ています。
母親は、また、魚を沢山買って来て、冷凍しておき、せっせと嬉しそうに
あげています。



犬 チビとクロ


近く部落に住んでいる小学生のA君が、雨の中、学校から家に
帰ろうとしていたら、捨てられた子犬が付いて来ました。
かわいそうになり、家に連れて帰ったら、家族に、犬は飼えません。
と言われました。
困ったA君は、友達と相談したのですが、引き取ってくれる家は、
見つかりませんでした。
暫く、家族に内緒で、近くの空き倉庫で飼っていて、
どうしようか悩んでいたところ、友達のB君が、通学途中で
見かけるおばあさんが、飼ってくれるかもしれない、と言い出し、
我が家の倉庫の前に子犬を置いておく事にしました。
子供達の作戦に、母親がまんまとはまり、飼うことになったのがチビです。

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チビは、その後、3匹の子犬を産み、引き取り手の無かった1匹を家で
飼うことになったのがクロです。

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クロは、どちらかと言うとヤンチャで、遊んでほしくて、母親のチビに
ちょっかいを出して、時々、嫌がられていました。
その後、チビは親戚の家が飼うことなり、とても可愛がってもらっていました。
お墓参りに親戚の家に行ったら、とても嬉そうに尻尾を振っていました。
クロは、我が家に残り、毎朝夕、じいちゃんに散歩に連れて行って
もらい、週末は、我が家の子供達と田圃の周りを走りまわっていました。
ばあちゃんは、クロに、“自分が、病気になったら、世話をしてやれないから、
早く、死ね。“ と言っていましたが、目出度く、18年の天寿を全うし、
じいちゃんが作ったお墓で、安らかに眠っています。

天国でも、また、クロはチビを追いかけ回しているのかな。
嫌がられていなければ良いけど。